Updated : 2003/10/5 - All pages are written in Japanese only.
KH2GR グアム旅行記2
2003/9/5(金)〜9(火)
(1) アマチュア衛星通信
1. 3度目の正直、もとい、3度目の挑戦
実は、3回目にしてようやく AO-40 へのまともな QRV に成功したのが、今回のグアム旅行なんです。
2002年1月… AO-40 設備を抱えての初グアム行き。しかし、AO-40 衛星の姿勢が悪くわずかな時間&近い地域としか交信ができず、欧米局には全くサービスできなかった。
2002年10月…再挑戦を計画したが、旅行の日程が運悪く AO-40 衛星のトランスポンダ休止時期に完全に重なってしまい、AO-40 機材を一切持参しなかった。
この後、2003年2月のパラオ行きを終えて5月にグアム行きを考えたのですが、またしても AO-40 の姿勢が悪い時期と重なったためズルズルと延期、ようやく今回、2003年9月に、AO-40 の姿勢の良い時期に KH2 グアムに行けることとなったのです。
もっとも、PTDXC のクラブ局 WH2DX による AA TEST への参加チームの一人としてグアム入りした訳でして、本来ならコンテストに忙しくて衛星どころではないはずなのですが…、いいじゃんコンテストなんてどうでも。そんな訳で、衛星を最優先に QRV となりました。
なお、この期間は UO-14 が停止してしまった事、FO-29 がデジトーカモードで運用されていたこと、ISS の TNC が off になっていたことなどもあり、LEO 衛星用の機材は準備はしたものの、結局 LEO 衛星には QRV しませんでした。
2.運用設備
運用に使用した設備は、2002年5月の JD1 小笠原移動からこちら定番となった、カメラ三脚利用の BBQ Dish & 11 エレクロス八木セットです。今回、BBQ Dish は 2002年1月のグアム移動の際に KH2JU Danny 宅に預かってもらったものを利用しましたが、支持ブームと 435MHz システムは持参したものを使用しました。
2.4GHz ダウンリンクの受信系は、マキ電機の 2.4GHz プリアンプと、改造 2880 コンバータです。実は ERA-3 付加改造を施した 2880 が一台 Danny 宅に預けてあるんですが、今回は受信能力をできるだけ良くしたかったので、持参のプリアンプ+標準改造 2880 を使いました。
無線機はいつもの IC-821、20Wです。2880 改造コンバータは特注水晶で 2401MHz→143MHz の変換になっていて、IC-821 では 143MHz 台が受信できるように受信拡張改造をしてあります。
IC-821 の上に Libletto を乗せ CALSAT32 を動かして軌道計算、ただしログはメモ&手書きです。CW 運用には伝播ディレイでもきちんと符号が打てるようにストレートキーを使用しました。
無線機がブルーシートの下になっているのは、突然のスコール対策のためです。もっとも今回、突然の、と言うより「いつも」雨に降られてしまいましたが…。
3.今回の問題点
滞在期間は残念なことに、連日の曇天&降雨!、一般の旅行客ならブーたれ間違いなしの天候でした。とにかく、私の屋外運用スタイルでは雨が最大の敵です。それも、南の島の雨は勢いがすごいので、傘なんか役に立ちません。
小雨・霧雨程度なら、自分が濡れるのを覚悟すれば、無線機類はブルーシートで何とか防水できますが、本格的な降りになると、さすがに「スコール」、数秒でビショ濡れになるような勢いで、跳ね返りや水滴で、しっかりカバーしていないと何もかもビショ濡れになってしまいます。
運用は基本的に、Danny のシャックの軒先を使い、できるだけ雨を避けて運用したのですが、それでも大雨が来るとカバーをしてシャック内に避難、の繰り返しとなりました。
問題点はもうひとつ、風も強かったんです。途中で一回、壁に立てかけてあった板が風にあおられて飛び、それが三脚を直撃!、足の一本がひん曲がってしまいました。折れはしなかったものの、無理やり伸ばしてみても写真の通りで、足が収納できなくなってしまいました。とりあえず、運用はこのひん曲がり三脚で何とかこなしましたが、持ち帰ることはできず、Danny 宅にそのまま預けることに… (- -;)。
屋外スタイルでは「蚊」と「蟻」との戦いも冗談では済みません。私は比較的蚊にやられないタチなんですが、それでも、夜間運用時には雨で大量発生したヤブ蚊がまとわりつき、足元には日本では想像もつかないほどにアグレッシブな蟻がまとわりつき…。蚊取り線香とスキンガードを駆使し、蟻の通り道を避けて運用場所を確保しての運用となりました。
…やっぱ、屋外スタイルは南の島ではダメだ…。ポーラーマウントを使った簡易式でいいから、屋内からリモートコントロール可能な設備を準備しないとダメですね。次回の課題です。
4.9月6日朝の西向けパス
さて、滞在中の最初のチャンスは到着の翌朝、6日(土) 朝の西向けパスです。今回の短い滞在では西向けはこの1回きり、失敗は許されません。
運用はヨーロッパが視界に入る 9:22 (23:22z) から開始し、LOS する 11:10 (01:10z) までの約 110 分間行いました。交信相手となるヨーロッパ地域は金曜の夜中(土曜の早朝)1〜3時あたり、夜更かししてくれていればいいのですが。幸い MA=125 からで SQA も低く状態も良好、天候も霧雨程度で何とか運用可能でした。
左が運用中の写真です。Danny のシャックの階段前部分が西向けにベストな位置で、そこにテーブルと三脚を置いて運用しました。西側には樹木があり、あまり低仰角まで下がれなかったのが残念です。
ループテストを開始してすぐに DC8TS Hardy に見つかり (^ ^;) QSO、その後パラパラとヨーロッパから呼ばれ始めました。交信結果は以下の通りでした。
SSB (15 QSO) DL2JEN, DO2SW, DL8YHR, DL1RG, DK2ZF, DM3ML, DL2EWN, IZ1ERR, HL2JFM, IZ6ABA, ON5NY, VK5DG, CT1EAT, JA4GVA, JR7DXA
CW (17 QSO) DC8TS, DL2JEN, SM0DY, JR7DXA, JA1ADN, DL1RG, JA1SIM, DL6GBM, JG3KUT/1, F6BEG, F/HB9RM, HL2JFM, JS3CTQ, JA1IRH, JA6PL, JR6LDE, JR3KQJ
唯一の EU 向けチャンスだったのに、わずか 32 QSO はちょっと残念でした。特にアフリカの局と交信できなかったのが…。KH2GR でサテライト WAC やりたいんですよねぇ。
5.9月6日深夜の東向けパス
続けて2日目夜の AO-40 のチャンスは東向け、SQA が高いので当初は運用しないつもりだったのですが、せっかくのチャンスなのでセットアップを行い、試しに出てみることにしたのです。
22:00 過ぎに準備を済ませ、ループテストを試みると、意外に強く帰ってくるのにビックリしました。計算では SQA=20 ですから、CW でもカスカスだろうと予想していたのですが、SSB で 20W の自分のアップリンクが S3 程度で聞き取れるのです。22:30 過ぎに CQ を開始しましたら、KO4MA 局を皮切りにパラパラと北米局から呼ばれ始め、SSB での交信が成功しました。
交信結果は以下の通りでした。
SSB (10 QSO) KO4MA, K0BLT, W0TUP, JH4UYB, XE1MEX, JS3CTQ, JH0PVF, JR6NVG, JA3THL, JH5FQC (WB6LLO レポート交換不成立)
CW (13 QSO) K0BLT, KK5DO, K9DID, JA1COU, K8DID, JS1XGS, W5BTS, NX7U, JA1BLC, K5OB, N4ZQ, JJ3CNL, JA3DV/1
途中 0:24〜 に RTTY への QRV も試みたのですが、ケーブルの不良か MMTTY で受信ができず、何局からか呼ばれたもののダメでした。
運用はシャック屋外の東側の軒下です。ホテル泊まりだと、ベランダが東に向いてでもない限り、深夜にこういう運用をするのは困難ですし、治安の良いとはいえないグアムで、夜間にこんなことを公園や駐車場などで行うのも無理があります。その点、Danny 宅のような民家だと、そういうことが問題になりにくいので助かりますね。
小雨はパラパラ降ってましたが、大雨にはならず、0:55 に QRT しました。翌朝もチャンスがあるので、無線機器にビニルシートをかぶせて、ベッドに沈没しました。
6.9月7日早朝の南パス
仮眠明けの 6:00、外をみるとビショビショで、寝ている間に大雨が降ったみたいです。昨夜、ビニールをかぶせておいた机を見ると…!、げげっ、めくれてる!
どうやら、スコールと一緒にやってきた風で一部がめくれてしまったようで、IC-821 が雨を少々被っていました。コレはヤバい!、と早速室内に持ち込み、ネジでカバーを外しましたところ、上面放熱スリットをホコリ対策で内部からふさいでいたハガキが、うまく雨水を防いでくれたようで、内部は無事でした。
一安心してカバーをネジ留めし、通電して動作を確認、問題なし。
グアムからだと AO-40 は最大仰角 80 度近い場所を通る軌道にいるため、6:40 頃の QRV 開始時点では、アンテナがかなり上を向きます。とは言え、あまりに仰角の高い位置では、DX とのチャンスが少ないですし、三脚ベースの移動運用設備では、仰角 90 度付近へ向けることは困難です。
とりあえず 6:40 過ぎに一旦 QRV して JH0TOG 局と交信しましたが、その後が続かなかったので、仰角が下がるまでしばらく QRT し。8:20 から QRV を再会しました。途中パラパラと雨が降ったりして、ビニルシートを被っての運用となりました。11:11 に QRT するまでの交信結果は以下の通りでした。
SSB (8 QSO) JH0TOG, JA6PL, JA1SCE, JA1OGZ, VK6XH, JR1ASH, VK6NU, JH0TOG(2nd)
CW (8 QSO) JA1EAH, JA1JRZ, JA3SGR, JF2AIA/4, JA4RED, JH4XSY/1, JA6BJV, JA3KWZ
途中 9:01〜05 には KH2JU Danny がオペレータを代わって QRV をし、JH3DJX, JH0PVF 局 と交信していました。
6.9月8日深夜の東向けパス
最後の AO-40 向けチャンスは、日曜の深夜(月曜の早朝) 23:50 過ぎからの東向けパスです。
南米との交信を狙うべく、できるだけ仰角の低い位置が確保できるようにと、木立のジャマにならない位置に運用テーブルを移しました。無論そこは軒下から大きく離れています。無線機のセットアップも終え、ビーコンを確認して「いざ QRV」と思ったら MA=132 でトラポン off。MA=134 の トラポン on をじっと待っていたら、なにやら東の空から暗闇が…。
ドザ〜〜〜!!
突然の大雨!、神様っ、そんなにボクが嫌いですか?。
少々の雨ならビニルシートを被ってでも QRV しますが、数秒いただけで着物がビショ濡れになるような大雨、やむなく無線機にビニルシートをかけ、シャックに避難です。うう、これで最後のチャンスは QRV できずに終えてしまうのかなあ…。
涙を流しつつ 30 分、雨音が…やんだ?。屋外に…ああっ、これならいける、運用できるぞ!。慌ててログ帳を手に運用テーブルへ戻り、浸水状況を確認。足元は水浸しで水上に居るような状態でしたが、かえってアリが来ないので助かります。
0:40 に何とか運用を開始!。遅ればせながら北米局との約束を果たすことができました。交信結果は以下の通り。
SSB (20 QSO) W8WRP, N5LQ, KE4AZN, XE2AT, K8DID, JR1DQK, W0TUP, W6IHG, N1JFU, W0LMD, VK2DAG, YV1DIG, NX7U, K5OE, AA6NP, AA9LC, K8TL, KO4MA, W8DCH, KB2M
CW (9 QSO) JA1AYV, K8TL, WQ5C, W4SU, AA6NP, JR3LGE, WA6ARA, JA6BX, JN1BPM
1:40 に QRT するまでに 29 QSO、トータルで 100 QSO となりました。特に、南米の YV1DIG 局と交信できたのが幸いでした。これであとはアフリカと交信できれば WAC が手に届きます!。とりあえずアンテナだけ軒下に移し、無線機器をシャック内に運び込んで撤収です。
7.成果
重複交信が多いので局数は伸びませんでしたが、100 QSO はサテライトの DX pedi では成功の部類に入ると思います。
持参した機材のうち、足がひん曲がってしまった三脚を含めた AO-40 用設備一式を KH2JU Danny 宅に残しておくことにしました。また、今回は雨で散々苦労しましたので、次回の訪問時には屋内から運用できるように、ポーラーマウントシステムによるリモート制御の、ポータブルな支持具を準備しようかな、と思っています。
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Edited by : Yoshihiro Imaishi 今石良寛
JF6BCC, KH2GR, ex-T88IY, ex-V63BP
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