JF6BCC の FT-817 レポート

2000年9月末、八重洲無線(スタンダード)から HF〜430MHz フルカバーのオールモード 5W ポータブル機 FT-817 が発売されました。松下 RJX-601 や NEC CQ-P6400 の時代に無線を始め、FT-690, FT-690mk2 と共にオールモードの移動運用に熱中していた世代の私には、HF〜430MHz までフルカバーの、しかも AM モードまでついている 5W(max) のポータブル機は、まさに夢のリグです。今回、初回ロットを入手することができましたので、簡単にレポートします。
1.外観と重量
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パンフや取説では 135mm幅 x 38mm高
x 奥行165cm(突起物を含まず)となっている。実際には、前面の各種ツマミ等、背面のMコネ等の突起物があるため、奥行は 195mm あると考えた方がいい。38mm高
には電池ボックスのフタ 1mm の厚みが入っていない。幅についてはショルダーベルト金具が左右に
5mm ほど突きだし、右側面にあるマイク・イヤホンコネクタにマイクやイヤホンを装着した場合のケーブルの飛び出しが
30mm ほどある。全体的に FT-x90mk2
シリーズと似たようなサイズだが、厚み(高さ)が小さいのでコンパクトな印象を受ける。 重量は、取説で電池・マイク無しで約 900g となっているが、単3アルカリ乾電池8本とマイク、ショルダーベルト、それからオプションのCWフィルタを含めると 1.5kg。690mk2 と似たような重さになる。オールバンドてあることを考えると、充分軽いと思うが…。 |
| 右側面の写真。ベルト金具の右にマイク用の RJ45 モジュラジャック、その横にイヤホン・外部スピーカ用端子。取説では2極のイヤホンを使うよう説明がされているが、3極のステレオイヤホンを挿してもちゃんと両耳から聞こえる。同一の端子を外部スピーカ用とイヤホン用で兼用しているため、レベル切替用のスライドスイッチが横に有る。 | ![]() |
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リアパネルの写真。右下がM接栓。右上から CAT システム用端子、データ通信用端子、CW用電鍵端子、左上が電源端子で、左下にはアース端子がある。全体はアルミのダイキャスト部品になっていて、左右に 18mm の突起があり、リグを直立させるときの足になる。特にひっかけ金具のようなものは見当たらず、x90mk2 シリーズの時のような合体型リニアアンプ製品は考慮されていないもよう。 |
| リグの底面側にはバッテリー収納スペースがある。フタはバネ式のロックで保持され、手で簡単に開けることができる。標準ではここに単3アルカリ電池8本用の電池ケースがセットされていて、写真のように乾電池をセットして使う。 電池ボックスの接点はごく細い金属線で作られているようで、FT-690 の単2用ケースのゴツい端子に比べると貧相だ。だが電池のすわりは良く、圧力で飛び出してくるようなこともない。
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2.フタをあけてみた
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早速、ドライバーでネジを外して内部を覗いて見た。スピーカのある上面側のカバーを取ると、メイン基板が見える。 回路図を見る限りでは、ずいぶん複雑なのだが、多層・両面基板のせいか、非常にすっきりした印象を受ける。 写真右下にはオプションフィルタの装着スペースがあり、CW 用の 500Hz ナローフィルタ YF-122C を装着してある。そのすぐ上にあるのが SSB/CW 用の標準 455KHz フィルタ。他に AM 用のセラミックフィルタと第1IF用の 68.33MHz のフィルタがあるはず。SSB 機と言えば、スカート特性のシャープなデカいクリスタルフィルタが使われる、と言う先入観があるせいか、こんなチャチなフィルタでいいのか?、と不安を感じるが、技術の進歩とはこういうものかも知れない。 左上のシールドケースで囲まれた部分が PLL 回路、その脇に 22.625MHz の基準発振回路がある。ここはオプションの高精度 TCXO (TCXO-9) に交換できるよう別基板になっている。左側にスペースが空いているのは、スピーカーの背にあたるため。 |
| 反対側のカバーを開けると、アンプとフィルタユニット、電池収納スペースが見える。しかし、広帯域アンプを使うリグに宿命の、バンド別フィルタ群を切り換えるためのリレーが、小さなスペースにごっそりと並んでいて、ああ、やはり今風のリグなんだなあ、と実感。それにしても、こんなに沢山のリレーを使うのでは、消費電力もバカにならないだろうなあ。 FT-817 にはアンテナ端子が2箇所ある。背面のMコネと前面のBNCコネクタで、写真右上のリレーがこれを切り換える。どちらの端子を使うかはメニューでバンド毎に設定できるが、HFは全体で1選択肢になっていて、例えば7と21が別アンテナなので、7を背面のMコネ、21を前面のBNCコネにする、と言う選択はできない。 下半分のスペースにはバッテリーが収納される。標準で単3アルカリ乾電池8本用のバッテリーケースが付属している。オプションの
9.6V 1,000mAh ニッカド電池パック FNB-72
もこれと同じ形状をしていて、取り替えて使うものらしい。 |
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3.付属のホイップアンテナについて
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写真は、FT-817に付属する 50/144/430MHz
ホイップ。メインエレメントにパーツAを装着した全長
25cm のフレキシブルホイップで 144/430MHz
をカバー、またパーツAをパーツBに交換することで
50MHz 帯にも対応するようになる。この場合の全長は
35cm。最初、50 と 144/430 の切替式かと思ったが、メイン+Bの状態で3バンドとも対応する。 35cm では肩がけで使用するには長すぎるので、普段は 144/430 だけの対応にして短くしよう、と言うことだろう。なかなかいいアイディアだと思う。 |
| SWR アナライザの MFJ-259
にホイップを直づけして、SWR
を測定してみた。アナライザをベランダのアルミ手すりに接触させてアース代わりとした。 この結果から察するに、パーツBのコイルが 145MHz でエンドローディングになるので、パーツBがあってもなくても 145MHz で使えるようにしてあるのだろう。50MHz 帯の方はさすがに帯域が狭く、FM メインとその周辺しか同調しないと考えたほうが良さそう。メインエレメントのみでも使えるところが面白い。 |
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MFJ-259 では 430MHz は測れないので、ハンディ機と 144/430 用ハンディ用 SWR/POWER メーター REVEX W27 を使って、430MHz での SWR 特性も見てみた。ただ、結果をみる限りでは、なんか悪すぎる気がする…。だいたい W27 は進行波電力の調整操作なしで SWR がわかると説明書に書いてあるが、本当なんだろうか…?。入力電力が違うと SWR 値も極端に違うし…。 |
4.パンフレットに書かれていない機能詳細
パンフにある機能説明については、前述のデータベース等を参考にして下さい。ここではそれに書かれていない内容について書きます。
←純正品。
←100円ショップで買ったペットの首輪につけるロープに交換
(^^;)。5.CW運用に関して
6.電源と出力、消費電流
5W 機であると安心してはいけない。FT-817 が 5W を出せるのは、どうもかなり恵まれた電源状況のみのようだ。手持ちの 144/430MHz パワー計 REVEX W27 とダミーロードを使って、電源状況による出力の違いを測定してみた。
パワー設定 |
外部13.8(13.0)V |
単3アルカリ10.5(8.4)V |
単3NiCd 10.1(8.9)V |
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435MHz |
145MHZ |
435MHZ |
145MHz |
435MHZ |
145MHz |
|
HI |
3.5 |
4.3 |
1.6 |
2.0 |
2.0 |
2.5 |
L3 |
2.3 |
2.0 |
1.0 |
1.2 |
1.5 |
1.5 |
L2 |
0.95 |
1.05 |
0.4 |
0.4 |
0.45 |
0.45 |
L1 |
0.6 |
0.6 |
0.2 |
0.2 |
0.3 |
0.2 |
電圧の (xx) 値は、FT-817 の電源電圧表示機能で、送信時に表示された電圧。電源ケーブルでの電圧降下や電池の内部抵抗などで、受信時の電圧に比べてずいぶん落ちている。単3アルカリ電池は百円ショップで購入したインドネシア製、NiCd はパナソニックの 1,000mAh のもので、いずれも8本。
消費電流についても調べてみた。外部電源端子からの電源ラインの途中に 0.2Ω の抵抗を入れ、両端に発生する電圧を DMM て測定する方法。100mV = 500mA になる。3A 流れても電圧降下は 0.6V で済む。電源電圧は 13.5V。アンテナにダミーロードを使用し、144/430 の出力は REVEX W27 で測定した。
状況
消費電流/A (送信出力/W)
電源断
5mA
受信
145MHz
FM
無音
0.31 (消費電力 4.2W)
〃
FM
スケルチ開放
0.34 (消費電力 4.6W)
80MHz
WFM
放送受信
0.32
50MHz
USB
無信号
0.35
7MHz
CW
無信号
0.35
送信
7MHz
HI
CW 1.71 -
SSB無信号 - -
〃
L3
CW 1.33 -
-
〃
L2
CW 0.99 -
-
〃
L1
CW 0.86 -
-
145MHz
HI
CW 1.85 (4.5)
FM 1.75 (4.0)
〃
L3
CW 1.36 (3.0)
FM 1.34 (2.0)
〃
L2
CW 0.99 (1.2)
FM 0.98 (1.2)
〃
L1
CW 0.85 (0.6)
FM 0.83 (0.6)
435MHz
HI
CW 2.36 (4.0)
FM 2.05 (3.0)
〃
L3
CW 1.91 (2.5)
FM 1.77 (2.0)
〃
L2
CW 1.30 (1.0)
FM 1.26 (0.9)
〃
L1
CW 1.14 (0.6)
FM 1.09 (0.6)
その他
ライト消灯
-30mA
背面アンテナ端子使用
+25mA
例えば 145MHz FM の HI 設定では、4W の出力を得るために 1.71A を消費している(消費電力23W)。435MHz だともっと効率が悪化するようで、3.0W を得るために 2.05A を消費した(消費電力 27.7W)。無論、全てが終段アンプで消費される訳ではないが、仮に効率を 35% と低くみても、800mA(11W) 程度の電流が送信回路全体で消費されていることになる。リレーがたくさん存在することが原因ではないだろうか?。
受信時の消費電流は思ったより少なくて済むようだが、仮に FM でスケルチをかけて待機していたとしても、1,000mAh の電池なら連続3時間ちょいで使いきる計算。省電力化が徹底している FM ハンディ機に比べるなら、とても勝負にならないほどの「大メシ食らい」だ。内蔵電池での運用は、長時間はとても持たない。出力の問題もあるので、移動運用には素直に外付け電源の手配を考えるべき。
前面BNCコネクタと背面Mコネクタとの切り替えに使われているリレーは、Mコネ側を使う場合に動作し、25mA 必要になる。たかが 25mA だが、移動運用では電池の節約は必須、極力、前面のBNCコネクタを使うようにしたほうが良さそうだ。同様に、ライトも 30mA 食うので消灯すべき。なおライトの色は赤と青が選べるが、消費電流には差はなかった。
なお、上記の結果では、最大で 2.36A 食っている。これに、外部電源から内蔵電池への充電を同時に行なう場合の電流約 +200mA を考えると、取説が求めている「3A以上の容量の電源」も納得できる。広帯域アンプとは言え、さすがに 430MHz あたりでは利得が足りなくなるのだろう。
7.電源回路の考察
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電池ボックスの写真の項でも書いたが、電池ボックスから配線されている緑の線、回路図を追ってみると、以下のような機能を持っていることがわかった。
いずれにしても、回路図を追う限りでは、CPU に送られる BATT 信号があるか無いか位しか、電池の種類を伝える手段が無さそうだ。とすると、市販の単3ニッカド電池をセットして、電源端子に 13.8V の外部電源を接続して、FT-817 のメニューで「充電操作」をしてやると、FT-817 の内部回路が働いて、市販の単3ニッカド電池でも充電されるような気がする。充電時間はタイマのみで制御しているが、メニューで 6/8/10 時間を選択できるようなので、750mAh の電池なら6時間、1,000mAh なら8時間、1,300mAh 以上のニッケル水素電池なら 10 時間にセットすればいいのではないだろうか?。 |
| 実際に FT-817 に市販の単3ニッカド電池を装着し、メニュー操作で充電開始を実行するが、ピッとエラー音が出て実行されない。乾電池に充電すると危険なので、誤って充電開始操作をしても充電されないような保護設計がされているはずで、単3ニッカド電池を乾電池とみなしているため、こうなるのだろう。するとやはり、この緑の線がクサい。 で、ものは試しとこの緑の線を、電池ボックス側でカットしてみた。すると…充電操作が受けつけられ、充電タイマがカウントダウンを始めた!。FT-817 の電源を落としても充電は続き、250mA ほどコンスタントに消費している。セットした電池は 1,000mAh で、純正ニッカドパックと同じなので、時間も同じ8時間にセットしてみたところ、8時間後にはちゃんと充電が停止した。おお!、これなら純正のニッカドパックと充電器を買わなくても、市販の単3ニッカド電池を8本買うだけで充電式にできるじゃないか!。 ところで、釈迦に説法とは思うが、この緑の線カットはメーカーの保証外になる行為であり、このまま電池ケースにアルカリ乾電池をセットして、FT-817で充電開始操作を行なうと、乾電池に対し充電を行なおうと回路が動作することになり、危険だ。純正オプションのニッカドパックでこの配線がどうなっているのかわからない以上、この改造によって生じる危険は全て自己責任である。マネをする人は覚悟すること。FT-817 を壊しても私は責任取らないよ。 |
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それに、CPU に BATT
信号を送る(乾電池が装着されていることを知らせる)のが目的であれば、緑の配線で駆動するトランジスタスイッチの入力回路は、図のような複雑なものである必要はない。わざわざ抵抗で分圧して与えているところを見ると、この緑の線に与える電圧を加減することで、BATT信号を操作することを想定しているのかも知れない。 BATT 信号を出すトランジスタスイッチの B/E 間の順方向スレッショルド電圧が仮に 0.6V だとすれば、緑の線に 2.4V 以上がかかったときにスイッチが ON になる珪酸だ。ん、2.4V…?。ニッカド電池2セル分じゃないか。ひょっとしたら、純正のニッカドパックは、マイナス側から電池2個の位置にタップがとってあって、そこからこの緑の線が延びているんじゃないだろうか?。ニッカド電池は充電終期には端子電圧は 1.3V 以上になる。すると、満充電かそれに近い状態のニッカドパックがセットされているときは、トランジスタスイッチが働いてBATT 信号が送られ、乾電池とみなされて充電操作が効かなくなるので、過充電が防げる!。きっとそうだろう。 ということは、乾電池ケースの緑の線をカットするのではなく、現在は中点(マイナス側から電池4個目)にとられている緑の配線を、2個目に取りかえればいいのではないだろうか。これで、アルカリ電池を装着した場合には、消耗していない限りは電圧が高いので BATT 信号が出て、充電操作が無効になるし、市販の単3ニッカド電池を装着した場合でも、満充電状態なら同様に無効になる。 |
※2001/7/9追加情報 : JP1BBP/1菅原さんからの情報で、純正ニッカド電池パックには「緑色の線」は配線されていないそうです。と言うことは、やはりこの線は、乾電池か充電池かの判断をしているだけってことなんでしょうね。電池ケースは保守部品として取り寄せることもできるそうです (\1,500-)。なお、私(今石)は後先考えずに線をニッパで切ってしまいましたが、コネクタの端子ごと引き抜くようにすれば、後から戻すこともできるので、そちらをお勧めするとのことです。情報をありがとうございました。
8.衛星通信への利用
目下、私が熱中している FM レピータ衛星へ FT-817 を利用することについて考えてみた。
- A/B VFO を使ったスプリット運用機能がある。A VFO に 435.070MHz FM、B VFO に 145.975MHZ FM をセットしてスプリットを ON にすることで、435MHz 受信・145MHz 送信(Mode-J) の UO-14 衛星に1台でアクセスできそう。ただし FT-817 は同時送受信機能はないので、自分の返り信号を確認できないが。
- SEL ツマミによる周波数の可変ステップは最小 5KHz だが、メインダイヤルを FM でも使えるように設定すると 10Hz ステップで可変できるので、ドプラーシフトをおいかけるのに困らない。
- 電池では 5W 出ないようなので、FM レピータ衛星相手ではパワー不足になりそうだ。12V 1.5Ah 位の鉛シールバッテリで駆動する 20W のアンプがあったほうがいいかも知れない。
- 144/430 でアンテナ端子を別に設定できるので、アンテナをバンド毎に2本用意しても、デュプレクサを必要としないのはありがたい。
内蔵されているVOX機能を使うための、ハンズフリーマイクを自作してみた。100円ショップで売っている 3mm 径のアルミ線をフレームにして、ヘッドセットよろしく頭に被り、3端子 ECM を固定してある突起を口の手前に持ってくる。配線は特殊なことは一切なく、ECM とマイク端子とを直接接続しただけ。マイク端子に +6V が出ているのでそれを ECM の電源に直接入れた。マイクコネクタは LAN ケーブルジャンクを流用。FT-817 で問題無く動作する。
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9.受信周波数の拡張改造
2000/11/12
まもなく Phase-3D 衛星も上がります。FT-817 はそれ単体で 144/430MHz をオールモードで使えますが、1.2/2.4GHz や更にその上の周波数にダウンリンクを聞くには、ダウンコンバーターが必要になります。その際、FT-817 を親機として使うには、ハムバントしか受信できないのでは不便です。また、国際宇宙ステーションISSの業務通信には 143MHz 台が使われています。そこで、最近のメーカー製トランシーバーには何故か、必ずと言っていいほど実装されている「受信周波数拡張改造」を実施することにしました。
内容は以下の通りです。情報源は秘密です。改造は各自の自己責任で行って下さい。失敗などしても私は一切責任を持ちませんからね。技術力のある方だけが実行できるように、写真等は載せません。
- FT-817 を分解して、フロントパネル部分を分離します。フロントパネルと本体とを接続しているフラットケーブルは、フロントパネル側で外した方がいいようです。フラットケーブルをロックしてあるプラ部品は壊れやすいので要注意。
- フロントパネル裏の基板を見ます。ロータリーエンコーダが左に来るように置いてください。ロータリーエンコーダの上に、ランドが9個並んでいて、真中の3つにだけチップ(ゼロオーム抵抗)がハンダ付けされています。この真中3個のチップのうち、右から数えて4個目のランドにハンダ付けされているもの(3個のチップの右端)を、小容量コテなどを使って除去します。
- FT-817 を再度組み立てて、[F] キーと [V/M] キーを同時に押しながら電源を入れます。
改造後、周波数はこのようになります。
- BANDスイッチでの切り換え → 28 / 50 / 88(WFM) / 108(AM) / 144 / 430。
- 周波数表示の範囲 → 50:33〜56MHz、88:76〜108MHz、108:108〜137MHz、144:137〜154MHz、430:420〜470MHz。ただしこの範囲全部が受信できているとは限らない。
チップは単なるゼロオーム抵抗で、ランドはハンダブリッジしやすい形をしています。間違って別のチップを除去したり、元に戻したい場合には、チップを再びハンダ付けするのは大変なので、ハンダを盛ってブリッジしてしまうのが簡単でしょうね。私も最初、右から4番目を誤って左から4番目と解釈して外してしまったところ、'VFOa' などと表示される部分に 'MTUNE' という表示が出て消えなくなり、びっくりしました。
ドレークの 2.5G→220MHz コンバータは、水晶交換をしない場合、2400.48MHz → 120.48MHz になりますが、これなら FT-817 の改造後のエアバンド周波数内になりますね。また、メイン周波数の 2424.00MHz → 144.00MHz です。周波数改造をしてしまうと、衛星と通常信号との切り換えは難しくなりますから、かえって周波数改造をしない方がいいかも知れません。…もっとも、2.4GHz なんて地方じゃ出ている人は居ないんでしょうけど。
この9個のランドは、回路図に USER1/2/3, SRX, STX, EXP, TS0/1/2 とある JP4001〜09 のようですが、何番目がどれかについてはわかりません。回路を追おうと思いましたが多層基板のため断念しました。
10.US仕様機とJA仕様機との相違点?
2002/2/11 JR3MHP西河さんからの寄稿です。
私はいまアメリカに住んでおり、こちらでアメリカ向けのFT−817を購入しましたので、日本版とは違うかもしれません。
このFT−817は、マニュアルの記述が不十分なことが多く、機能がわからなかったり故障かと勘違いしたことがいくつかあったのです。
ひとつはマイクのFSTというスイッチの機能です。これはどうもFASTの略らしく、これを押すとメインダイヤルを回したとき周波数が100Hzごとに動き、10Hzの桁は動かなくなります。そして液晶パネルの右端に「人が走っているような」マークが表示されます。ところがこのスイッチの機能はどこにも説明されていません。液晶パネルの全画面の説明のところでこの「人が走っている」マークの説明として「マイクのFSTボタンが有効」とあるだけで、FSTそのものの説明がどこにも書かれていないのです。私の場合、何かの拍子にこのFSTボタンを押していたらしく、この疑問に気づく前にすでに10Hzの桁が全然動いていないことに気づいていて、このボタンとの関係がわかるまでしばらく時間がかかりました。
(今石より) 私の手元にあるマニュアルでは、P.15 の「付属マイクロホンの説明」と言う欄で「FSTスイッチ - 周波数の変更を切り替えるスイッチです。SELツマミの周波数変化量が2倍、DIAL ツマミの周波数変化量が 10 倍になります」との記述があります。
もうひとつはマイクのUP/DOWNボタンです。これはスキャンをさせる機能と、CWのエレキーとしての機能があり、どちらもメニューでON/OFFできますが、どちらもONにするとエレキーの機能が優先され、CW以外のモードに戻してもスキャンがきかなくなります(もちろん本体のAボタンでスキャンさせることはできます)。しかしこのことはマニュアルのどこにも書かれていないので、私はCW以外のモードに戻せば当然スキャンができるものと思い込んでいて、故障(ソフトのバグ?)かと思ってしまいました。CW以外のときはエレキーは意味がないわけですから、このボタンはモードに連動してスキャンのボタンに自動的に戻して欲しいと思います。
(今石より) 私の手元の FT-817 でも同様ですね。個人的には、マイクの UP/DOWN スイッチによるキーイングは使いづらいことこの上ないので、この機能を使うなんてことは考えもしませんでした (^ ^;) が、確かに CW 以外では意味が無い機能なのですから、CW とそれ以外で動作モードの優先権を切り替えるくらいの工夫があってもよさそうですね。もっとも、私のは最初の製造ロットの製品なので、最近売られているものとは違うかも…。
最後はオートパワーオフです。メニューの08(APO TIME)と49(TOTTIME)はどちらもパワーオフまでの時間を指定するメニューで、08は1〜6時間、49は1分〜20分までの時間が指定できるようになっていて、どちらにもOFFという設定があります。しかしこのメニュー49のことはマニュアルのオートパワーオフの説明のところには何も書かれておらず、ためしに49でOFF以外の値をセットしてもオートパワーオフは効きません。マニュアルのメニュー機能の説明のところには49の説明があるのですが、どうも全く機能していないようです。
(今石より) 手元のマニュアルでは、メニューの 49 TOT TIME はタイムアウトタイマーで「設定した時間 "連続送信" を行うと、強制的に受信状態に戻ります」と記載されています。ためしに1分にして連続送信状態にしましたが、ちゃんと機能しました。このあたり、US仕様と機能が違うなんてことは無いと思いますので、マニュアルの記述内容に問題があるみたいですね。
最初に申しましたように私のFT−817はアメリカ版ですので日本版と違うかも知れませんが、もし日本版でも同じことでしたら今石さんのHPに書き足していただければありがたく思います。
とりあえず以上です。
Posted and Edited by 今石良寛 Yoshihiro
Imaishi.
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