Last Updated : 27th.May.2002


小笠原・父島移動運用記
2002/4/29〜5/7 (父島滞在5/1〜5)

前へ | 準備編 | 4/29 | 30 | 5/1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 次へ

アマチュア無線のトップページに戻る


20.いよいよ AO-40 にQRV

日付が変わって 5/2 の 0:00、AO-40 へ QRV するためにウェザーステーション展望台脇の公園へ移動開始、の予定だったのですが…。

雨だ (--;)

困ったことになりました。夜間の降雨は考えないでもなかったのですが、セットアップの開始前から雨になることは想定してなかったのです。…とは言え、ここで睡魔の誘惑に負けて寝てしまっては、AMSAT-BB で宣伝した手前、平日の昼間だと言うのに待機してくれた(かも知れない)北米の局に申し訳がありません。あまり本降りでも無さそうだったので、小雨になった隙を突き、機材を積んだバイクにまたがって出発しました。

駐車場の木陰に設置したAO-40用アンテナBBQ Dish の皿をバイクの前籠にくくりつけた異様なバイクが、降雨でツルツル滑る深夜の山道を上がっていきます。警官に咎められたら何て言い訳しようかなあ、と考えつつ走りましたが、幸い誰にも会うことなく、0:30 に駐車場に到着しました。

当初の予定では、公園のベンチに陣取るつもりでしたが、屋根の無いベンチにこの雨の中セットアップを行うのは困難です。展望台なら屋根はありますが、東向けには構造物があり、また GPS 基地局がアンテナ正面に来てしまいますので、あまり嬉しくありません。

どこか、雨を避けられる運用場所は…、と周囲を見渡したところ、天の助け!。駐車場に、張り出した木の陰となって雨が降り込んでいない一角があったのです。真東の視界もベンチに陣取るのと大差ありません。早速そこにバイクを置いてシートを引き、それを運用デスク代わりにして、AO-40 用設備のセットアップを行いました。事前に組み立て手順を検討しておいたおかげで 0:55 にはセットアップを終了し、0:58 にループテストに成功、SSB で十分に了解できました。すぐに SSB でCQ を開始しました。

交信局

W6ZQ, W0EOZ, VE7CNA, JE2VVN, JR7DXA/1, JO1MWX, XE2AT, JH0TOG, K0VTY,JA7ML, JA4GVA, K6TSK, W0LMD, JA1XEE/3, JA0WJN, W0TUP, JN1BPM/1(CW),N7UB

使用した AO-40 用アンテナ一通り交信してまい、CQ に応答が無くなった 3:30 に QRT。雨も上がって月も出、周囲は思ったよりも明るくなっていました。デジカメでアンテナの写真を撮影しましたが、フラッシュの到達範囲の狭さもあってあまく写りませんね…。

車両運送法違反?写真撮影の後、すぐに撤収を開始し、3:45 に完了しました。来たときと同様、BBQ Dish はバイクの前籠にくくりつけ、三脚や支持ブームは後ろの荷台にショックコードで固定しました。

雨があがったとは言え、濡れて滑りやすくなっている坂道を慎重に下り、4:00 に宿に到着しました。既に回りは薄明るく、小笠原が日本の東よりにあって日の出が早いことを実感できます。荷物を部屋に上げ、バッテリーを充電機に接続し、とりあえず一息つきました。

このまま眠り込みたいところですが、早朝の JA 向け AO-40 のチャンスもありますし、NASDA の追跡所の見学も控えています。目覚ましを 6:00 にかけた上で仮眠することにしました。…目覚まし時計の効果も薄く、目がさめたのは 6:45、ちょっと寝過ごしてしまいました。

寝ぼけ頭を左右に振りながら、CALSAT32 で AO-40 の位置を確認しますと、方位 170 度方向で仰角も高く、宿の部屋の脇にあるベランダから、うまく見える方向にありました。これは、無理に波止場などの広い場所に移動しなくても、宿から QRV することができそうです。アップリンクのアンテナが宿の UHF TV のアンテナに直に向いてしまうので TVI が心配でしたが、急いで AO-40 用アンテナをベランダで組み立てました。

宿のベランダにアンテナ展開して QRVベランダはちょっと狭いが良い方向7:24 にセットアップを終了し、QRV を開始しました。

交信局

JA1UKI(CW), JA1ADN(CW), JH1OAI, JA5CU/1, JA1PSS, JA6BQS, JA3CMY,JA0MT, JH2ESW, JS1XGS, JA3KWZ, JL1MJD, JA1CG

9:00 から NASDA の小笠原追跡所の見学を申し込んであるため、後ろ髪を引かれる思いで 7:58 に QRT、わずか 30 分の QRV でしたが、ごめんなさい。平日し、JA 向けにはまだ週末のチャンスがあるのでご勘弁を。宿で朝食をいただいた後、スコール対策に AO-40 用アンテナのプリアンプ部分をブチルテープで防水しました。宿のご主人に確認したところ TVI は出てなかったそうで、一安心です。

21.NASDA小笠原追跡所を見学

テレメトリ受信用のDish8:50 に、NASDA の追跡所にむけバイクで出発しました。途中、初日だけで使い過ぎてガス欠直前だったバイクに給油するために、コスモ石油のガソリンスタンドに寄ったのですが、バイクの給油口が開かずひと苦労 (- -;)、おかげで遅刻して 9:10 に、NASDA の追跡所に到着しました。事務所を訪ねると、長年にわたってこの追跡所の維持をされている委託職員の方から歓迎のご挨拶を受けました。受付名簿を見ると、私の前は何と去年の 12/11!、昨年9月の米テロ事件以降、ゲートを閉じるようになったため、夜明け道路を観光ドライブ中にフラっとやってくる見学客が居なくなったためだとか。

NASDA 父島遺跡所の主な仕事は、種子島宇宙センターから打ち上げられたロケットの監視です。位置的にちょうど、種子島から打ちあがったロケットが通過する場所にあるんですね。いくつかある仕事のうち、もっとも華々しいのが、ロケットが予定の軌道に達せず、落下する危険がある場合に、自爆指令を与えてロケットを爆破処理すること!。そのためのコマンド施設があるんですね。昔は、打ち上げの際には NASDA の職員がやってきて、実際の監視とロケットからのテレメトリ収集、イザと言う時のコマンド作業などをやっていたそうなのですか、現在は種子島から衛星回線を経由して遠隔制御されているそうで、施設維持の職員が居る以外は基本的に無人なんだそうです。その職員の方も平日の昼間しかいらっしゃらないそうで、施設の見学を希望する方は、あらかじめ葉書で予定を問い合わせるのが良さそうです。

施設の見学内容は、テロ対策の一環としての機密保持のため、ここでは書きません…なんてね (^ ^)。でも、半分は冗談ではなく本当なんです。テロを警戒して、設備の詳細については詳しい説明をしてもらえませんでした。無論、アマチュア衛星通信を趣味としている者には、説明などなくても「どの装置が何の目的で…」ってのはわかってしまうものなのですが、周波数とか信号形式とか出力とかはヒミツ。まあ、知っても仕方の無い情報が大半ですが。所内の写真を色々と撮影したかったのですが、そういう事情もあり遠慮しました。

追跡所からの眺めはバツグンでした施設の設備のうち、2箇所の機械棟と2つのパラボラアンテナを見学させていただきました。事務所と同じ建物になっているコマンドルームのある棟、コマンド用送信設備 (2GHz の1メガワット送信機とか) のある機械棟、テレメトリ受信用の 大型 Dish とコマンド送出用の中型 Dish です。大型 Dish の輻射器には 200MHz 帯のクロス八木が4つ並んでいたりして、なかなか面白いものでした。…それにしても1メガワットとは…。偽のコマンド信号でロケットが誤動作したりしないよう、また妨害信号によって邪魔されることのないよう、コマンド信号は超強力であることが求められていて、ロケットの側でも受信 AGC 値がある一定以上無いと反応しないように作ってあるんだそうです。

NASDAのロゴ入りスリッパ (^ ^;)。見学を終えて 10:00 に辞去、玄関でふと下を見ると、NASDA のロゴ入りスリッパがありましたので、写真をパチリ。施設の紹介資料や NASDA のデモ CD など、色々とお土産もいただきました。いや、来て良かった (^^)。

見学のあと、宿への帰り道には少し遠回りをして、平日ののんびりした清瀬・奥村地区を回りました。途中、美津ストアに弁当の看板があり、南国で定番の「スパムおにぎり」を発見しました。小判型の少し大きめのおむすびに、スパム(塩漬け豚肉の缶詰)のスライスを焼いて乗せ、海苔の帯で巻いたものです。醤油味で2個 \300 也。これで昼食を済ませました。宮の浜地区では、立派な一戸建て住宅のそばにクランクアップタワーとビームアンテナを確認、現地にお住まいのハムがいらっしゃるんですね。宮の浜地区は北側にもやや開けているので、このあたりだと DX から呼ばれまくってさぞかし楽しいでしょうね (^ ^;)。

22.島内散策

ダイブショップ KAIZINバイクでフラついていて、奥村の港のはずれに、やたら立派な 21MHz の5エレを発見しました。近づいてみるとダイブショップ KAIZIN の建物です。訪問してみると、そこは JD1BBH 山田さん (女性) のシャックでした。「オケラネット」と言う、ヨットの連絡ネットワークでは有名な方だそうです。突然の訪問であったにも関わらず快く応対していただき、アイボール QSO の記念にと、20 年以上前のグアムの海岸で撮影した写真 ('o';) の QSLカードをいただきました。

KAIZIN のあるあたりは父島の漁港がある一角で、漁協のストアーは正面の駐車場に臨時の商品陳列台を作って、入荷した生鮮食料品を並べていました。店員らしい人がまだ品物を並べているうちから、買い物客(主に女性)が押し寄せていて、これが父島名物の、おがさわら丸入港とともに始まる買い物ラッシュなのか、と思いました(でも入港は昨日だったし…)。自炊宿泊まりとは言え、今回は自炊の予定はありませんでしたので、一通り見て回ってから、自販機でジュースだけ買いました (^ ^;)。あ、ここのジュース、よそより 10 円安いぞ。

おがさわら丸だ!近くの漁港に係留されている漁船を見ていて…

あ、こんなところに「おがさわら丸」が!。

いや〜、笑ってしまいました。父島旅行の土産話に「往路はおがさわら丸って船で 25 時間かかったんだよ。え、どんな船かって?、いや、コレなんだけどね」って感じで、この船の写真を出したら、きっと笑われるでしょうね。いや、こんな小船に 25 時間半も乗るなんて、私にはとてもとても…て言われるかな?。無論、これは「小笠原丸」でって「おがさわら丸」ではありませんので念のため。だいたい、この小船、東京から父島まで仮に航海したら、4〜5日かかるかも。

小笠原診療所この後、清瀬地区を回って、父島で唯一(?)の医療機関である診療所の脇を通りました。小さな島らしく診療所もこじんまりとしたものでしたが、人口が数千人であることから考えれば立派な設備です。いや、でも、ここにお世話になるような目には遭いたくありませんが。

村営バスは営業運転なのに白ナンバー島には村営のバスが3路線あります。大村〜奥村を循環する「外回り」「内回り」と、大村から境浦を経て南の扇浦まで行く路線です。ちょうど帰り道、その路線バスとすれ違ったのですが…あれ?、白ナンバー?。営業運転をしているバスなら、普通は黒ナンバーだと思うのですが…。もちろん、ナンバープレートには「品川」の文字 (^ ^;)。

11:10 に宿に戻りました。同宿の人たちは皆ダイビングなどに出かけていて宿には誰もいません。東京を出て以来シャワーを浴びていなかったので、ちょうど良いチャンスなので入浴することにしました。

この民宿「パンダナス」、見かけも中身もぼろい宿なのですが、必要なものはちゃんと揃っているんです。部屋には有料コイン式ながらクーラーがあるし、全自動のコイン洗濯機も2台あるし、トイレも共同ですがちゃんと水洗です。居間にはテレビもあるし、台所には電子レンジもあります。びっくりしたのは、湯船があったことです。南の島ってのは入浴の習慣が無く、入浴と言えばシャワーだけってのが普通で、父島も南の島だからシャワーしか無いだろう、と思っていたんですが、ご主人が内地の出身者だからなのか、あるいは島民の大部分がそうだからなのか、ちゃんと湯船、しかも(水を大事にする離島らしく)湯の浄化装置までついていて、しかも昼だと言うのに暖かい!。いや〜、嬉しいですねぇ。浴室も湯船そのものもご主人手作りで無骨ですが、機能は必要充分!。もっとも、わたしが肩までつかってしまうと大量の湯が溢れてしまいますので、節約のため我慢しました (^ ^;)。

フリーショップまるひ前のISDN公衆電話入浴の後、衣類をコイン洗濯機に放り込みました。2台のうち左は 300 円で右が 250 円、同じ宿で値段が違うやんけ(^ ^;)。たぶん故障などで、どこかで不要になったものを貰ってきて、修理してそのまま置いたんでしょう、さすがご主人。洗濯機が動いている間に、リブレットを抱えて公衆電話に向かい、ネット接続。平日昼間の ISDN 接続はテレホンカードの度数が飛ぶように無くなります (--;)。ISP のサーバーに残しておいた大量のメールの削除もあって時間がかかり、どうやら持参した 105 度数カード3枚では足りなくなりそうです。公衆電話からの帰途、酒屋でテレホンカードを2枚買い足しまた。

洗濯物を干してさあ仮眠…と思ったら、受信したメールの中に、会社から急ぎの依頼が。慌てて返事を書き、再度公衆電話へ。ついでに商店でこぶりのパパイヤを購入し、台所の冷蔵庫で冷やしておくことにしました。夜に他の宿泊客と分けて食べようかな。14:00 にようやく一段落がつき、部屋に戻って仮眠することができました。

23.夕方のUO−14にQRV

眠れたような、眠れなかったような気持ちで 17:30 に目がさめました。窓を開けておくととても気持ちの良い風が入り、クーラーは不必要でした。

ねぼけた頭でパソコンの電源を入れ、CALSAT32で衛星のスケジュールを確認すると、すぐの 18:38〜 に UO-14 の東向けパスがありました。慌てて準備をし、ウェザーステーションの展望台に機材を抱えて移動です。セットアップを開始してすぐ、夜間作業用のヘッドライトを忘れていたことに気づき、やむなく懐中電灯1つで作業をしました。東向け最大 10 度のパスは、平日で時間が早いこともあってか、聞えてくるのは違法局の声ばかり (--;)。"JM1RCE とれますか〜" と言っている女性の声が聞えましたっけ。18:39 にループテストに成功し JO1FEF 局と交信しましたが、他には QRV を確認できず 18:49 に衛星は山影へ消えました。

LOS 後、アンテナを展望台に残し、無線機などの貴重品だけ抱えて夕食のために下山しました。昨日と同じ定食屋でトンカツ定食 \800 也。ガツガツと夕食を済ませ、次の UO-14 に備えて展望台に戻りました。今度は西向けのパスなので、展望台脇のベンチに陣取り、19:38 にセットアップを終了しました。

20:15〜20:30 の UO-14 は西向け最大 66 度のパスでした。まっ暗闇の展望台で、一人ぼっちの QRV、寂しい…。もっとも、寂しさを感じたのは衛星が AOS するまでの間だけで、聞こえ出したら大忙しでした。JH4DHX/3, JN7EXM, JN1GKZ, JH7UMF/1, JA6BX, JL1XYU, JG8WJI/8, JH3BUM, JA7JSK,JH5FQC, JH5DAH, 7L1FPU, JA1GDE, JA2NLT, JH6RTO/1 局と交信しましたが、JN1BPM/1 局とはレポート交換を確認できませんでした。他に RW0LIA, JI3WBP 局を受信。きつい混信も少なく、非常に良好なパスでした。LOS 後、今夜の AO-40 への QRV に備えて無線機器のみを撤収し、アンテナはそのまま展望台の隅に残して宿に戻りました。

宿では、ふたたび同宿の客としばし歓談し、冷えたパパイヤを切り分けて食べました。いや〜、うまい!。アタリでした。

22:00〜22:05 の UO-14 は西向けわずか2度のパスでした。本当は QRV するつもりは無かったのですが、ウェザーステーション横の展望台は、西の水平線まで見えるので、ひょっとしたらタイの局が…と期待して QRV することにしました。アンテナをそのまま残しておいたので準備はすぐ終わりましたが、混信が強くであまり通りません。JA6PL, JA6AVT, JA6BX 局と交信し、JH0PVT, JH3BUM 局を受信しましたが、期待していたアジアの局の QRV は無く、LOS 後、LEO 用アンテナを撤収して、三脚と 435MHz 11 エレクロス八木を展望台の隅に残して下山しました。

次は午前2時台の AO-40です。


前へ | 準備編 | 4/29 | 30 | 5/1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 次へ

アマチュア無線のトップページに戻る